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海外でも夏休みの宿題はあるの?
Q:海外でも夏休みの宿題はあるの?あるとすれば、どんなものがあるの?(38歳女性)
A:夏休みの宿題があるかどうかは、国によってさまざまです。もちろん学校によっても違います。夏休みのような長期休暇が、学年のかわり目にある場合もあります。こうした事情も宿題があるかどうかに影響しているようです。
まず、米国東部メリーランド州のある小学校の場合、夏休みは学年度末の6月中旬~8月末まで。この夏の宿題は算数とリーディング(読書)です。
算数は両面に問題が書かれたプリント約10枚。復習と予習を兼ねています。リーディングは、本や新聞、雑誌など夏休み中に読んだ分のリストを作って提出。料理のレシピや広告の文章でもOKです。
米国ではサマーキャンプも人気です。スポーツのほか科学や美術、ダンスなどいろいろなコースから選んで参加し、期間もさまざま。こうしたキャンプや合宿は、ロシアやフランスなどでも行われています。
ロシアの夏休みは、小学校低学年だと6月初めから8月の終わりまで約3カ月間ありますが、宿題はほとんどありません。
小学校5年生ぐらいになると、夏休みに読むべき本のリストをもらいます。ロシアの自然や戦争などをテーマにした短い作品が20冊ほどです。感想文の提出は義務付けない学校が多いです。
東南アジアのタイには、雨期(5~10月ごろ)と乾期(11~4月ごろ)があり、一年でもっとも暑い3~5月ごろに約2カ月の長期休暇があります。休暇後に進級します。小中学校では一般的に宿題はありません。
7~8月にも約2週間の休暇があり、北部チェンマイのある小学校ではこの夏、タイの習慣や文化をグループでまとめるという課題が出されました。休暇後、学校で発表するそうです。
インドネシアにも雨期(11~3月ごろ)と乾期(4~10月ごろ)はありますが、夏がないため「夏休み」はありません。
ジャカルタの小学校の長期休暇は、学年が昇級する6月下旬から7月上旬の約20日間と、ラマダン(断食月)明けのレバラン休みの前後2週間、ラマダン最初の週の1週間の3回あり、いずれも宿題はありません。
フランスも、親が書店で買って子どもに与える夏休みの「宿題帳」のようなものはありますが、一般的に宿題はありません。
夏休みは6月下旬から9月頭までの2カ月強あり、9月から新学年となります。6月に進学試験が行われるため、それを終えた子どもたちにとって、夏休みは羽を伸ばす機会となります。
フランスの学校制度では、夏休みのほかに10月の万聖節(ハローウィン)休暇、12月のクリスマス休暇、2月の冬休み、4~5月の復活祭(イースター)休暇がそれぞれ10日~2週間あります。この時は、休暇明けの試験などが予告され宿題も出ます。
エジプトも一般的に宿題はありません。夏休みは6月初旬から3カ月あまり。休みが長く宿題もないのでうらやましい限りですが、実際は暇を持て余している子どももいるようです。
カイロ近郊で暮らす小学2年のユスフ・モハメッド君(8)は、午前中は小学生も預かる保育園に行き、午後は自宅でマンガを読んだりしていますが「3カ月もただ遊んで過ごすなんてうんざり。少しぐらい宿題があってもいいのに」と嘆いています。
一方、南半球のオーストラリアの夏休みは、12月のクリスマス前から1月下旬までとなります。夏休み後に学年が変わるので、やはり一般的に宿題はありません。
もちろん普通の日は宿題があり、シドニー近郊の小学校に通うエマちゃん(7歳)の宿題には、読書や算数のほかに、家族と散歩することや折り紙で「きつね」を折ることまでありました。
最後に、中国や韓国の日本人学校の事情です。
北京にある日本人学校の今年の夏休みは7月22日から8月24日で、小学5年に出された夏休みの宿題は、国語・算数・理科・社会のプリントが計30枚余り、二行日記、社会科新聞、自由研究です。
中学1年の場合は国語・数学・英語・理科・社会のプリント計150枚余り、漢字練習、自由研究、本の紹介です。
また、ソウルの日本人学校の今年の夏休みは7月下旬~8月中旬で、小学1年には、絵日記が数日分、計算ドリル、ひらがな練習のほか自由研究が出されました。韓国の現地校では小学1年から塾の夏期講習に通う子どももいるそうです。(共同通信外信部記者)