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計画停電をやったりやらなかったりするのはなぜ?いつまで続くの?

計画停電

Q:東京電力の計画停電。やったりやらなかったりして混乱していますが、どうしてそういうことになるのですか?いつまで続くの?


A:まず、なぜ、計画停電が必要なのかを確認しましょう。電力は、水やガスのように貯めておくことができません。このため、安定した電力供給のためには、時間によって変動する電力需要に対し、瞬時に発電所から必要な電力を供給しなくてはなりません。

今回の震災で、東京電力では原発以外にも複数の火力発電所が被災。その結果、この時期に想定されるピーク時の電力需要約4千万キロワットに対し、供給できる最大の電力は3千5百万キロワット前後にまで落ち込んでいます。

仮に、供給力を上回る電力消費を放置すると、送電システムがダウンして、大規模な停電が発生します。一般家庭で、多くの電気製品を一度に使って、ブレーカーが落ちてしまうのと似ていますが、送電システムの場合は復旧にも時間がかかってしまいます。

そこで、電力会社は、常に、需要の推移を監視していて、需要が供給を超えそうになると、地域ごとに、順次、送電を強制停止していきます。

ただ、予告なしの停電は、医療機器の停止などの深刻な影響の恐れがあります。そこで、あらかじめ、送電を止める可能性がある地域を決めておくのが、今回の計画停電です。

このため、対象地域が必ず停電するのではありません。家庭や企業の節電によって需要が抑えられれば、その時間は実施されないのです。

計画停電の実施期間について、東電は当面、火力発電所の復旧が見込まれる「4月末まで」としています。ただ、東京大の横山明彦教授(電気工学)は「火力発電所が復旧しても、夏場の電力需要には追いつかない可能性が高い」と指摘します。

夏は、最大の電力需要が6千万キロワットに近づくこともあり、問題の長期化による「節電疲れ」も懸念されます。

横山教授は「今後は、ピーク時の電力需要を部分的にカットする計画停電だけでなく、企業の休日を分散化するなど、ピークを少なくする方策を考えていかないといけない」と話しています。(共同通信デジタル編集部記者)

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