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水道水の放射性物質は、飲んだ場合人体にどんな影響があるの?

水道水

Q:水道水から放射性物質が検出されましたが、数値ばかりでよく分かりません。飲んだ場合どんな影響が出るのでしょうか。

A:福島第1原発事故が原因とみられる放射性ヨウ素が、東京都や茨城県、千葉県などの水道水から検出されました。

東京都が23日に発表した値は、水道水1キログラム当たり210ベクレル。乳児の摂取基準値100ベクレルを超えており、都など関係自治体は、乳児が飲むのを控えるよう求めました。

この210ベクレルは、人体にどの程度の影響があるかと言えば、環境中の放射線量の測定をする日本分析センターの池内嘉宏理事は「1週間飲み続けてもまったく問題のないレベル」と言っています。

池内理事によると、1キロ(1リットル)当たり210ベクレルを、大人が1日に2.65リットルの水を飲むと仮定して放射線量を表すシーベルトに換算すると、被ばく線量は0.012ミリシーベルトになるということです。

10日飲み続ければ、0.12ミリシーベルトになりますが、人体に影響が出るとされる100ミリシーベルトや、人が年間に自然界から受ける2.4ミリシーベルトと比べても、わずかな値といえそうです。

放射性ヨウ素は、甲状腺に集まりやすい性質があり、甲状腺が成長する乳児は大人に比べて数倍、ヨウ素が取り込まれやすいことから、基準値が大人の3分の1になっています。

ですが、仮に1回や2回飲んだとしてもまったく影響のないレベルで、「基準値は健康への影響が出る値よりはるかに厳しく設定してあり、あまり神経質になる必要はない」(池内理事)ということです。

日本小児科学会なども、乳児は短期間でも水分の摂取量が少ないと、むしろ脱水症などの悪影響が出る可能性があるとして、粉ミルクなどに使用する水がなければ水道水を使用するよう呼び掛けています。

東京都も「代替の飲用水が確保できない場合は飲んでも差し支えない」としています。

それでも、お母さんたちはわが子のために神経質になるのは、当たり前のことだと思います。乳児を抱えていない大人は、ミネラルウオーターの買い占めを是非、控えるようにしたいものです。(共同通信デジタル編集部記者)

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