リクエストニュース

大統領と首相はどう違うの?

毎日暑い日々が続き、子どもたちは夏休みに入りました。というわけで、今回から数回にわたり、子どもからのリクエストを扱う子ども版リクエストニュースをお届けします。子ども版といっても、大人が今更聞けない、だけど知りたい、という内容になっています。

大統領と首相

Q:海外ではアメリカのように大統領がいる国が多いようですが、首相とどう違うの?(小6男子)

A:国によって制度が違うため、同じように「大統領」と呼ばれる人であっても、国が違えば役割も違います。首相についても同様です。そのため、なかなかひとまとめにはできません。

一般的には国民が選挙で直接選んだリーダーが大統領です。米国のほか韓国もそうです。直接選ばれるため権限が強く、強力なリーダーシップを発揮できるとされます。

一方、日本やイギリスの場合は大統領ではなく首相です。国民が直接選ぶのではなく、国民が選んだ議員で構成される国会で選出されます。

この違いは、国の採用するシステムが「大統領制」か「議院内閣制」かに基づくとされます。米国や韓国は大統領制で、日本やイギリスは議院内閣制です。行政の最高機関が大統領なのが大統領制で、内閣なのが議院内閣制です。

それぞれ長所と短所があります。大統領制では、大統領一人が強力な権限を持つため、迅速な判断と行政執行をすることができます。ですが、大統領が議会と直接的な関係がないため、時として議会と対立することもあります。

議院内閣制は、首相が議会で選出されるため議会と密接な関係があり、行政の迅速性に問題があるケースがある一方、内閣は首相と複数の閣僚によるいわば集団指導体制で、独善的な判断に陥る危険が少ないという利点があるとされます。

ここでちょっとややこしいのが、大統領と首相の両方が存在する国があることです。韓国のリーダーは大統領だと説明しましたが、実は大統領のほかに首相もいます。なぜ大統領と首相の両方が存在するかというと、それぞれ役割が違うからです。

大統領と首相が両方存在する国の場合、より力を持っているのは国民が直接選んだ人で、韓国の場合は大統領です。首相は大統領が任命し、大統領の下で命令を受けて仕事をします。そのように大統領と首相の役割は違っているのです。(共同通信外信部記者)